残暑のなか頭もあつくなり


日本は熱帯になったと思いながら月曜を走った。
お客さまで歴史、とくに近代のことにおもいがふかいご老人と庭の木陰で話しこんだ。沖縄集団自決について教科書から「軍の命令」を削除したことである。このかたの結論は、自決用手榴弾を配ったのは沖縄守備隊であり正規日本軍ではない。だから自決の責任は日本にはない。という論調である。わたしの頭は気温より暑くなった。その言葉の裏には、軍が命令したのなら賠償責任があるけれど、いわゆる民間兵ななら国に賠償責任はない。慰安婦問題などもその延長にあるといわんばかりである。この方が言われることが事実だったとして、正規日本軍と防衛隊との区別は自決された方がたにはなかったと容易に推測できる。そのうえ、国から補償を受けるための争いを沖縄はしているとまで言われたら、それは自決されたたくさんのお霊様がうかばれない。民間人が自決、いいかえれば殺されたという事実がある。補償ではなく事実を伝えたいという沖縄の心ではないでしょうかと申し上げた。