お礼の言葉を求めずに


4万キロ使ったタイヤを交換する日がきた。ブリジストンで24000円(とうぜん4本)。下関トヨタで交換にかかる1時間を捻出するため大霜の5時から採卵をはじめた。午後2時、新品のタイヤで雨の高速道路を走っても安心感があった。
美祢は3時過ぎにいつもどうり着いた。美祢駅横のトイレに立ちよった。真っ最中に小学生が走って入ってきた。便器はひとつしかないので「まっちょれ!」と言うたら「ウンコ!」と言いランドセルを背負ったまま入った「紙がない!」と苦悩の顔「よし、紙はある」と車にもどってポケットティシュを差し出した。お礼も言わずに戸を閉めた。この子が外に放置した傘をたたみながら思うのは「お礼ぐらい言わんか!」と言わずによかった。
相手が助かれば、喜べばただただよいわけであり、それを我が喜びとすればよい。