月別アーカイブ: 2016年12月

今日なんです

朝6時。気温1度。くもり。最高気温6度。日差しなく冬を感じた一日。

仕事納めお客さまが多く、配達日を多少前後させてもらい何とか年内、タマゴのお届けの目処がついた。

農園では、いつも通りの時間が流れるが街中の忙しさは今日がピークといった感じ。

明日は雛の入荷があるので、Fさんが受け入れ作業を時間をかけてしてくれた。

今年も一年間、鶏と彼のバランスを取りながらだったが、四季のリズムをよく理解してくれている彼には心から感謝する。

今日は長女の15回目の誕生日。

クリスマスと正月に挟まれ世間も大変賑やか。おまけに「タマゴ屋」に産まれた彼女。この時期のバタバタ具合は例年ハンパないのである。

とかく辛抱させることが多い長女の誕生日。時間は遅くなったが、これから手巻き寿司。

今日の配達先に、子供たちがお世話になった保育園があり、ちょうど受け取りをされたのが副園長で、長女の年長クラス担任の先生。

「もえちゃんも今年、受験生じゃけど私は安心してます」

卒園して何年も経つのに娘を記憶にとどめて下さっていることに心から感謝した。

その上、

「確か、年末の一番忙しい時期が誕生日やったよねぇ」との言葉。

「今日なんです」とお答えし、嬉しさで鳥肌を立てながらお礼を申しあげた。

たくさんの方にお心遣いいただき、今年も終わりがみえました。

心からお礼申し上げます。

あだちまさし。

少し前から

朝6時。気温2度。晴れ。最高気温13度。穏やかな気候のクリスマス。

朝一番、小野田からの初めてのお客さまご夫婦。「同僚の、吉部のヤマモトさんからココのタマゴが美味しいと聞きまして・・・」

ヤマモトさんに何人か心あり、ご主人から話を聞かせてもらうが、なかなか顔を思い出せなく。

私の存知あげないかもしれないヤマモトさんが職場に話題にして下さり、わざわざ来園されたお客さまに接し、感謝するとともに、少し身が引き締まる思いがした。

昨日のこと。

土曜日、夕方の配達は少しオーバーワーク気味だが、ご予約と生産のバランスをとるため毎週藤山方面へ走る。

文京台の団地に、開園当初から多くのお客さまを取りまとめて頂いているお客さまがあるので。

7軒ほど配達するが、3年前から配達しているお客さまと「少しだけ距離」があると毎週感じていた。

小柄な奥さまが玄関先でタマゴを受け取って頂くのだが、何か少し距離があるというか・・・。

不在の際などは、こちらが恐縮するほど丁寧な電話がかかる方なので、タマゴや私の対応にそれほど問題があるとは深く考えないことにしていた。

来週の配達が「大晦日」という事もあり、少し私の事情を話しながらのタマゴの受け渡しの際、玄関先で少しギコチナイ空気になる。

何となくお互い顔を見合わせた時、奥さまの方から

「実は右耳が聞こえづらいんです」と初めて聞いた。

今日、Fさんとの二人作業をしながら、今まで配達に伺った際の奥さまの表情や、耳を傾ける仕草を思い浮かべながら、

いつもどおりの話し方や、お客さまへの対応は間違っていなかったが、来週からは、少し前の左側から丁寧にお話するようにしたい。

今日も、一日ありがとうございます。

あだちまさし。

安堵

朝6時。気温15度。雨。いつも通りの服装で仕事を始め、汗をかいたので一枚脱ぐ。

昨夜、中一次男が発熱した。学級の様子を聞くと、おそらく「インフルエンザ」。今朝、家内が病院に連れて行き、それと「確定」

中学校に入学し、何かと悪態をつきながらも、部活、学校生活と休み無く頑張っていたので少し休養。

9月末に足の指を疲労骨折し、先日、練習に復帰したばかりで、冬休みの遠征に向けて自主練をしていた矢先。

日々、練習を積み重ねるチームメイトに焦りを感じるだろうが、ここはメンタルの鍛え時、しっかり辛抱して丈夫な体をつくる努力をしてほしい。

12月に入って宣伝し、ご注文いただいた「カステラ」の製造、配達の目処が付いた。

夕方、小川蜜カス本舗さまで商品の受け取りをして、現場の仕事を終えられた小川社長と少し話をした。

20日間ほど、店舗に原料のタマゴの納品、商品の受け取りで通い詰め、店先や電話で何度も打ち合わせさせていただきながら、色々な勉強をさせていただいた。

この一週間、無理ばかりお願いしたが、今日の会話の安堵感は心地よかった。

創業100年、宇部市民から愛される「カステラ」を焼き続けてこられた小川さまと少しだけ距離が近くなった気がした。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし。

冬至

朝6時。雨。気温は確認せず。ただ12月にしては温かい。

今日は「冬至」 一年の間で昼が最も短く夜が最も長くなる日。

鶏は日長で季節を感じるので、日長が日に日に長くなるこの日が待ち遠しかった。

暦上では今日が境だが、実際のところ10日前ほど前から季節を先取りした鶏の産卵状況が上向き加減で安心する。

早くから予定していた鶏の出荷を今朝無事に済ませた。

Fさんとの二人作業。

繁忙期の処理場の都合が優先で、真っ暗な6時すぎに受け取りのトラックが来園し、運転手まで使いながら8時前には積み込みが終わった。

やれやれの一日。

先ほど、島原の義母から電話があり、久しぶりに声を聞いた。

「体の悪いとこはなかとね?」と尋ねると、最近、歯科に通っているとのこと。

孫と一緒に飴を食べたら、入れ歯が痛んだらしい。

私の両親、家内の両親にも親不孝な自分で申し訳ないが、島原言葉を電話越しに聞いて心にゆとりができた。

あだちまさし。

あんた、凄い手じゃね

朝6時。気温0度。晴れ。最高気温8度。大霜。夜中の最低気温−3度。

昨日、鶏の飲水の凍結防止で少しだけ排水をした。わずかの排水だったので排水口工付近は凍結していたが鶏舎の中は問題なし。

採卵しながらFさんと各鶏舎の凍結具合を確認する。

まだまだ冬は序の口なので、凍結は心配なかったが、水の流れが悪い箇所を見つけて、二人で詰まった箇所を改善。

寒い朝の水仕事はかなり堪えた。

作業場でパック詰めを少し済ませて、タマゴを積んで車を走らせる。

昨日、美東町の衣料品店へご希望の数量がお届けできなかったので残りを納品。

10時すぎだったので、いつもの店主の姿なく、留守番のおばあちゃんから代金を頂く。

代金を受け取る際、私の手のひらを見て

「あんた、すごい手じゃね」と一言。

私は自分の手を「すごい」と思ったことは一度もなく、男性にしては頼りない手のひらだと認識している。

昔から手の表裏にシワが多く、何となく頼りない手。

毎日、タマゴを触っているのでザラザラの皮膚と、タマゴのヒビを確認する時、右手、中指の先に力を入れるので指先が「丸」ではなく、平たい。

そんな私の手をさすったり、覗きこんだりのおばあちゃん。しばらく私の手をスリスリしながら

「あんたは頑張ちょる人じゃろう?よう仕事する働き者の手じゃねぇ」と語りかけられ

私の日常を見透かすような、やさしいく温かいおばあちゃんの突然の言葉に

うれしい気持ちと恥ずかしい気持ちが混ざり、少々切ない気持ちになりながら店を後にした。

小学生の頃、コタツで祖母がシワの多い私の手のひらを「大きなルーペ」よく覗いた。

祖母は「手相を見るのは自信がある」大きな事を言っていた。ただ、私の手相に関して何と言っていたか今はまったく記憶にない。

留守番のおばあちゃんにスリスリされ、懐かしい祖母のことを思い出し

今日は一日、何度も自分の手のひらを見つめなおしました。

ありがとうございます。

あだちまさし。

初雪ふりました

朝6時。気温2度。雨のち雪のち晴れ。最高気温4度。初雪。

自宅を出る時は雨だったが、秋吉台の予報が朝6時雪4センチと出ていたので、いつもよりアクセルを踏み込んだ。

雨が雪に変わるのが、善和からか、万倉に入ってからか心配で真っ暗の中、フロントガラスにベショベショあたるミゾレの中、車を飛ばした。

農園に着いた時は、かなり重たいミゾレ。明るくなるにつれ水分をたっぷり含んだ雪になった。

作業場で仕事をしていると、鶏舎から戻ったFさんが癇癪をおこす。癇癪という表現が正しいがどうか分からないが、

機嫌の良い時に「兄さん、時々ジラを言ってすみません」と断るので私は癇癪と理解している。

今日は雨交じりの重たい雪。Iさんは出勤してくるが「給餌」ができるか心配。

一応、前日に打ち合わせはしておいたが、昼までの作業を考えると、この季節の朝8時前、誰もが一番、気がテンパル時間ある。

路面状況も気になり、農園から帰った後の仕事を済ませ、暗くなった混雑する市内中心部を配達して回ることを考えると怒鳴りつけたい気分だったが、

大きく深呼吸し、彼の話に耳を傾けた。

私が慌しく配達に出掛ける朝、ここ一年半ぐらい。早朝の二人仕事をしながら、深く心に溜めた思い彼は爆発させる。ウンウンと肯定しながら聞き、具体的に彼が心配している事柄をゆっくり探してみる。

彼なりの不満もたくさん聞いた。私の思いも少しは伝えたが、その「ほんの少し」。だが、気持ちが前を向いた時に120%の力で成し遂げる力は持っている彼を私は知っている。

私の不在時、Fさんが急な天候不順によって、Iさんの仕事を変更する指示を出したり、選別作業のパートさんを使うことも苦手なのは承知の上で配達に出掛けている。

ただ、私と同じか、もしくは、それ以上か、鶏のリズムを深く理解しているのは彼なのである。

一応、私が農園の社長だと彼の頭の中では認識しているが、心の中では私は「兄さん」であり、父は「親父さん」。

私たちと共に鶏を大事にしてくれ、兄さんとか親父さんと心の中で思う彼には、もっと心から寄り添い感謝しなければと思う。

あだちまさし。

プーチン大統領来日

朝、6時。気温3度。くもり時々雨。最高気温6度。気温を一階段さげる雨。今日からフリースをやめ、薄いダウンジャケットに着替える。

夜がまだ明けない自宅近くの「山口宇部無料道路」の出入り口で交通規制。事故だと思いゆっくり通過、機動隊がバリケードを設置中。

今日はプーチン大統領が来日。宇部空港へ着陸し、大谷山荘まで陸路「長門市」まで。配達に影響しないようにと眠たい目をこすりながらアクセルを踏む。

今年も残り半月。いつものように慌しく発注受注調整をする。

飼料会社からは「一方的」に受注確認。以前は、もう少し弾力ある注文が出来ていた。餌を切らすわけいかなし、ストックできる量も決まっている。

明日からの寒気が心配。寒さに耐えて産卵してくれているので体力の消耗も激しいであろう。鶏にしっかり体力つけて欲しいが色々と縛りが多いのが悩みの種。

気忙しいが何かを飛び越えて一日を進めることは出来ないので、一緒に働く皆さんには出来るだけ「いつもどおり」の仕事を進めてもらう。

堆肥の搬出も、週末に農家さんが2人受け取りに来園してもらう予定をつける。

農園の仕事を終え配達に出ると2号線とプーチン大統領が通過する道に交わる所は未だ厳戒態勢。

信号待ちで携帯ニュースを確認するとロシア出発時間が遅れ到着時間未定の記事を目にしながら、機動隊や警察官が検問する道路を避けて宇部市内へ向かう。

190号線と宇部空港から山口方面へ抜ける山口宇部道路が交わる大沢交差点で今まで経験したことない渋滞に巻き込まれ、江頭付近から徐行運転だったが、交差点手前で完全に車の流れが止まった。

あと5台というところの17時前。曇り空の上空ではヘリコプターが大きな音を立てて飛び回り、交差点の向こうからは街宣車で大きな声で「北方領土ナントカ」と不気味なうなり声が聞こえる。

20分ほどで規制解除。急ぎ足で配達をしながら「小川蜜カスさま」へ最終打ち合わせと商品の受け取りへ。

急な企画で無理をお願いした小川社長さまに頭を下げながら、最終的な受注数を伝え、私どもの希望する受け取り期日を伝える。

カステラ一枚から何本の商品が出来、製造にかかる時間、一枚あたりに使うタマゴの数を何度もお聞きしていた。

この時期だけ、鶏に「今日から年末まで2個ずつ産んで下さい」とも言えず、農園の生産量の範囲内で先週末からタマゴを計量しながら納品してきた。

来週月曜日からのお届け分の目処がたつ。

まだまだ短い期間での仕事が山積みだが笑顔で正月が迎えられるような気がする。

今日も一日ありがとうございました。

あだちまさし。

子供が喜ぶ春菊

朝6時。気温2度。晴れ。最高気温10度。寝不足と二日酔いで少々辛いFさんとの二人仕事の日曜日。

昨夜、農園泊まりだったので、万倉で農業を営む「栽培屋さと」の佐藤さんと「豚しゃぶ」をした。

19時。吉部でしか買えない重岡さんの手作り豆腐を昆布と一緒に鍋にかけ、二人で川沿いを犬の散歩。

部屋にもどるとアツアツの湯豆腐ができあがっていて、二人でフゥフゥ言いながら丁寧に手作りされた豆腐に舌鼓をうつ。

次に、私が行き着けの新天町レッドキャベツで買った鹿児島産豚ロースをシャブシャブハして小腹を落ち着かせて

佐藤さん自慢の「子供が喜ぶ春菊」を思う存分、喜びと共に胃袋にどんどん入れる。

何か特別な栽培方法があるかは分からないが、アクがなく爽やかな風味の春菊は後を引く。おまけに茎まで美味しい。

農園の鶏糞堆肥を使って土壌を作り、日々、作物と向き合っている彼の自慢話を聞きながら食べるので、直のこと美味しいのである。

豚バラは、彼が作った水菜とともにシャキシャキ感覚を楽しみながら。

豚と野菜の美味しさが詰まったスープに冷たいご飯を入れ、10日ほど前から産卵をはじめた「初うみたまご」を二つ溶き加え雑炊を二人すすった。

大声をあげて笑ったり、深くため息をつきながら愚痴をこぼしたりする関係ではなく、いつもどおり等身大で日々の日常を楽しく交換した。

20年ほど前、宮崎県小林市で豚糞堆肥を使って有機栽培無農薬で野菜を生産されている馬場さんに大変お世話になった。

何度も、ご自宅で自慢の野菜を鍋でご馳走になった。やさしく、甘い野菜は鍋の中で溶けてしまうので、いつも急かされながら感動とともに口に運んだ記憶が懐かしい。

嬉しい時、悲しい時に酒に酔って電話を下さることが多かったが、今の自分と同じくらいの歳で他界された。

馬場さんは、私たちが鶏を飼い始めた時、鶏糞の発酵作業について色々とアドバイスして下った。

鶏糞堆肥を使って下さる農家さんが作った自慢の野菜で鍋を囲む姿を馬場さんに見せてあげたかった。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし。

リズム

朝6時。気温6度。朝方、雨。のち晴れのち曇り。最高気温13度。

例年どおりの12月。どんどんスケジュールが埋まっていく。年末の日没が特に早い時期、心のコントロールが難しい。

ただ、鶏たちは、いつもマイペース。

これから寒さが厳しくなる季節。少しずつ鳥インフルエンザ報道や、家畜保健所からの発生事例ファックスも増える。

朝は採卵で鶏舎に入り、仕事を前倒しに済ませて配達に出掛ける。

採卵しながら、夜の寒さに耐えて産卵している鶏の体調を確認できると、何かと忙しい年末、少しだけ「心のゆとり」ができる。

何かと気忙しく配達する金曜日。

先日、周南市の美術館近くの手作りお弁当屋「食堂リズムさま」よりお問い合わせいただきタマゴをお届けさせていただいた。

無農薬玄米おむすび、たまご焼き、新鮮野菜を使ったランチボックスを週3で販売されている。

小さなキッチンで作られるランチボックスは、素材にこだわり、玄米食を好まれるお客さまには好評らしい。

玄米と野菜が中心のお弁当なので、今のところ「じゃこ」ぐらいしか使わないとおっしゃっていたが、今までこだわっって使っていたタマゴを、私たちの農園に切り替えて下さりそうな感触があり嬉しかった。

周南市の中心で、好きを仕事にされているお弁当屋さんとご縁ができ、感謝です。

あだちまさし

どんぐりを植える人

朝6時。気温5度。晴れ。最高気温13度。12月にしては、心地よい一日。

一昨日の朝は今年三度目の「大霜」で手先や背筋が凍るような朝だったが、今朝は霧に包まれ湿度が高く穏やか。

月曜日の朝は寝起きから、少し愚痴も出て、日曜日に疲れた体を起こすのに時間がかかる。

鶏の産卵に押されながらの一人産卵仕事。

今朝は仕事の取り掛かりが遅かったので、体の痛い所がが気になったり、言葉が通じない鶏にあたったり・・・

そんな気持ちでの作業中、9時前ごろ、藤ヶ瀬のMさんが突然の来園で、鶏舎の中の私に声をかける。

「鶏糞堆肥が欲しいんじゃけど」

体も心も一杯一杯だったが、作業の手を手を止め、少し雑談を交わす。

自分のことを「ボク」と言われるMさんは60代半ば。角刈り頭の大きな体と多くを語らないお人柄。

楠消防署の署長を数年前に退かれ、今は「夢」だった農業を全力で取り組んでおられる。「ボク」から話し始められると、上から目線で話したくなる人も多いと思うが、

父と同じ年のMさんは「ボクは・・・」と言いながらの自然体だが、かなり見識が深い。

6年前に農園で大きな事故を起こした時に、常に私の心に寄り添って下った恩人でもある。

今日は堆肥のお礼にと、

昔から栽培されている「ゆず」、自家製の「ゆず味噌」。あと先週捕れた猪の脂身タップリの「ロース塊」。

こちらの方が恐縮した。

「最近どうですか?」と尋ねると、笑顔で「どんぐりの木をたくさん植えよる」とのこと。

椎茸の原木と、「炭」を焼くのに必要だから。と・・・

今年植えた「どんぐり」が原木になるまで「何年かかる」と尋ねたところ「30年」とキッパリ。

原木になる30年後は90歳オーバーでしょ。とか、猪の好物「どんぐり」を増やしてどうなるの?と頭に過ぎったが

60年以上、吉部で生活されている皆さんに教わることはあっても、口を挟むことはない。

「どんぐりの実」を里山へ放流??するような取り組みも知ってはいる。

山が荒れると実をつけ辛い状況の樹木も多くあるだろう。

何かそんなことを考えながら

あだちまさし

すぅーすぅーする

朝6時。気温9度。晴れ。最高気温14度。穏やかな日差しが注ぐが、さすがは12月。ちょっと油断するとスゥースゥーする感じ。

太陽が沈んでいくのが早いので15時ごろ配達へ出かける時、少し心もスゥースゥーする。

今日から12月。いつもどおり発注しておいた梱包資材が届く。荷物が多いこの時期、僻地で配達時間が遅れがちな農園だが、今日は通常より20分遅れ。

月末月初め、毎月、荷物が集中する。さらにお歳暮が重なる12月の運送会社は戦々恐々。昔から現場やドライバーの心痛は存知あげている。

毎月、梱包資材の受け取りはIさんの担当。昨日、ノートに入荷があることは伝えていた。

正午すぎ、午前中の仕事を終えた彼女が弁当箱のフタを開け、箸を握ったところで、橋を渡ってくるトラックの音が聞こえる。

心苦しかったが「すまん。トラック来た」とゼスチャーで教え、受け取りをお願いする。

私も仕掛かりの作業をかかえていたので、手を動かしながら、彼女が荷物を受け取り、コンテナ倉庫に必死に運ぶ姿に胸が痛んだ。

ドライバーの忙しそうな雰囲気も彼女なりに感じ、私の作業も長い付き合いで理解してくれている。

耳から入る情報がない彼女が、それ以外の五感や体力を使って仕事を覚え、自分なりに幅を広げていく姿には学ぶところが多い。

今日のノートには「もう少しゆっくり運んで良いですよ」とは書いたが、

日々、自分のできる仕事を精一杯してくれる彼女に対し、本当の「ゆとり」は私がつくり出さなくてはいけない責任と反省する。

今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし。