あんた、凄い手じゃね

朝6時。気温0度。晴れ。最高気温8度。大霜。夜中の最低気温−3度。

昨日、鶏の飲水の凍結防止で少しだけ排水をした。わずかの排水だったので排水口工付近は凍結していたが鶏舎の中は問題なし。

採卵しながらFさんと各鶏舎の凍結具合を確認する。

まだまだ冬は序の口なので、凍結は心配なかったが、水の流れが悪い箇所を見つけて、二人で詰まった箇所を改善。

寒い朝の水仕事はかなり堪えた。

作業場でパック詰めを少し済ませて、タマゴを積んで車を走らせる。

昨日、美東町の衣料品店へご希望の数量がお届けできなかったので残りを納品。

10時すぎだったので、いつもの店主の姿なく、留守番のおばあちゃんから代金を頂く。

代金を受け取る際、私の手のひらを見て

「あんた、すごい手じゃね」と一言。

私は自分の手を「すごい」と思ったことは一度もなく、男性にしては頼りない手のひらだと認識している。

昔から手の表裏にシワが多く、何となく頼りない手。

毎日、タマゴを触っているのでザラザラの皮膚と、タマゴのヒビを確認する時、右手、中指の先に力を入れるので指先が「丸」ではなく、平たい。

そんな私の手をさすったり、覗きこんだりのおばあちゃん。しばらく私の手をスリスリしながら

「あんたは頑張ちょる人じゃろう?よう仕事する働き者の手じゃねぇ」と語りかけられ

私の日常を見透かすような、やさしいく温かいおばあちゃんの突然の言葉に

うれしい気持ちと恥ずかしい気持ちが混ざり、少々切ない気持ちになりながら店を後にした。

小学生の頃、コタツで祖母がシワの多い私の手のひらを「大きなルーペ」よく覗いた。

祖母は「手相を見るのは自信がある」大きな事を言っていた。ただ、私の手相に関して何と言っていたか今はまったく記憶にない。

留守番のおばあちゃんにスリスリされ、懐かしい祖母のことを思い出し

今日は一日、何度も自分の手のひらを見つめなおしました。

ありがとうございます。

あだちまさし。