朝6時。気温2度。雨のち雪のち晴れ。最高気温4度。初雪。
自宅を出る時は雨だったが、秋吉台の予報が朝6時雪4センチと出ていたので、いつもよりアクセルを踏み込んだ。
雨が雪に変わるのが、善和からか、万倉に入ってからか心配で真っ暗の中、フロントガラスにベショベショあたるミゾレの中、車を飛ばした。
農園に着いた時は、かなり重たいミゾレ。明るくなるにつれ水分をたっぷり含んだ雪になった。
作業場で仕事をしていると、鶏舎から戻ったFさんが癇癪をおこす。癇癪という表現が正しいがどうか分からないが、
機嫌の良い時に「兄さん、時々ジラを言ってすみません」と断るので私は癇癪と理解している。
今日は雨交じりの重たい雪。Iさんは出勤してくるが「給餌」ができるか心配。
一応、前日に打ち合わせはしておいたが、昼までの作業を考えると、この季節の朝8時前、誰もが一番、気がテンパル時間ある。
路面状況も気になり、農園から帰った後の仕事を済ませ、暗くなった混雑する市内中心部を配達して回ることを考えると怒鳴りつけたい気分だったが、
大きく深呼吸し、彼の話に耳を傾けた。
私が慌しく配達に出掛ける朝、ここ一年半ぐらい。早朝の二人仕事をしながら、深く心に溜めた思い彼は爆発させる。ウンウンと肯定しながら聞き、具体的に彼が心配している事柄をゆっくり探してみる。
彼なりの不満もたくさん聞いた。私の思いも少しは伝えたが、その「ほんの少し」。だが、気持ちが前を向いた時に120%の力で成し遂げる力は持っている彼を私は知っている。
私の不在時、Fさんが急な天候不順によって、Iさんの仕事を変更する指示を出したり、選別作業のパートさんを使うことも苦手なのは承知の上で配達に出掛けている。
ただ、私と同じか、もしくは、それ以上か、鶏のリズムを深く理解しているのは彼なのである。
一応、私が農園の社長だと彼の頭の中では認識しているが、心の中では私は「兄さん」であり、父は「親父さん」。
私たちと共に鶏を大事にしてくれ、兄さんとか親父さんと心の中で思う彼には、もっと心から寄り添い感謝しなければと思う。
あだちまさし。