歴史は多面的


王道楽土を夢に抱いて満州開拓にむかった人々。ブラジルやフィリピン周辺で農業に漁業で一旗あげる夢を抱いた人。引き揚げの体験談に、満州になぜ日本人がいたのか。そのことが間違っているという論調もある。中国や朝鮮半島の人の立場にたてばそうだろう。間違いはない。
一方、長男が家の財産を継承するというなかで長男以外の男の子は生きる道を探した。遠野のカッパ伝説は、子だくさんで喰えなく子供を川に捨てた。そのカッパを祀る場所には布でこしらえた乳房がご本尊。
生きること、喰うことに国全体があえいでいた。わたしの母もたくさんの兄弟の長女で学校に行かずに家をささえた。地主と小作の身分のちがいなど、夢を描いて新天地をもとめた現実もある。
歴史の出来事を正しいか間違いかという選択でおさえると、そこで生きた人からはちがう答えがあるようにおもう。右の翼と左の翼で鳥がはばたけるように、未来の平和は互いの主張を認めあうところから、ときの事情や背景まで斟酌して考えたい。
今朝、親友の香山君から、今朝の毎日新聞に東京裁判が載っていると、彼のコメントもくわえてメールが届きいろいろ考えた。