母おだやかに


防府市から母にあいに病院を訪ねた。痩せているから体重を聞いたら32キロらしい。一番肥えていたのはいつかと尋ねたら、62歳のとき56キロあったと記憶は正確のよう。ときおり夢のような会話になる。
いまはうまいものを食べたいから、ウナギを届けてくれと本気で言う。来週ウナギ料理を家内に頼むからと約束した。
いまは治療はなく老人施設への転院の時期になっている。いつも気丈で命令口調の母がえらいおだやかな口調にかわったと感じた。帰りぎわ握った手にやわらかさはなかった。