母に本をプレゼント


配達先で聞いた「昔、娘が小さいころ汚れて痩せ細った子猫を拾ってきました。なんでこんな汚い猫をつれて帰ったかね」と叱ったら「こんなに汚いからわたしぐらいしか飼おうと思わんの!」と反発したそうである。お湯で汚れを洗い、ミルクをたっぷり飲ませてやった。朝、それはりっぱなウンチをして猫は死んだ。子供が悲しみのどん底のときお母さんは「あんたが拾って、洗ってやってミルクを飲ませて、はじめてかもわからないおおきなウンチをしたんじゃから」と慰めましたと。周囲からおおきな拍手をもらう働きもよいけれど、こんなちいさいけれど、誰も知らないけれども命と向き合う生き方がいい。その話しを聞いたあと、母に本をプレゼントしたいという気持ちになり厚狭の書店に立ちより一冊選んでリボンをかけてもらった。