落日燃ゆ


日本を意識したのは20年ほど昔、ブラジル掃除に学ぶ会に参加したとき、2週間お世話になった日系人のみなさんが日本を無条件で愛しておられ、わたしは驚きと、それまで日本国を意識したことは、アジアに対して悪い国だと言えば良識的な国民だと思うぐらいの、日本を批判すれば日本人だった。それはブラジルでは恥ずかしくて言うことはできなかった。
40年まえ沖縄遺骨収集奉仕に通ったときは「英霊」か「霊」の議論はどうでもよいわたしだった。ところが靖国参拝について外国から干渉されることに疑問がはじまり、東京裁判についての書物を読みはじめた。ふたつの原爆投下や無差別空襲は問われず、戦勝国が負けた国を裁くリンチのような裁判と思う。
神戸震災で親友になった牧君が「廣田弘毅を尊敬しています」と言ったとき、わたしはA級戦犯でただひとり政治家だった方を知らなかった。処刑のまえ奥様は、どうすれば夫は処刑台に堂々とむかうことができるかを考えたあげく服毒された。その城山三郎「落日燃ゆ」を今夜はビデオで拝見。