出来事は午前2時


いつも枕元で寝ている老犬が布団に入ってきた。小型犬ならともかく、健康なときは15キロの犬がわたしの肩のあたりでまるくなったのは午前2時。寒いくらい冷えていたが、外気がマイナス6度の夜でもこんなことはない。追い出さずにあたためあいながらまどろんでいたら、わたしの腰のあたりまで下がっていびきをはじめた。この出来事も思い出になろうと犬のにおいも気にならない。
3時すぎからトイレで外に出たから完全に目がさめた。長いあいだわたしの疲れなどを癒してくれたから、弱った犬にこれからが恩返し。わたしの寝不足はなんとかなる。夜明けの6時まえから8時ごろまで草刈りをした。汗はでないので快適に作業をおえた。
防府から母に面会に行った「きょうは何日かね」と聞いた「なるほど、昼御飯におはぎがついたわけがわかった」家内が母の好物のパインを持たせてくれた「お母さんによろしく」と上機嫌にわたしも安堵した。
老犬の足腰筋肉を維持するために車にのせて橋まで行きおろしてわたしは帰る。ハァハァ息をしながらヨタヨタ歩行で戻ってくる。数年まえは車と並んで、耳を後ろになびかせ疾走できた。