ワンワン物語


農園ちかくに数十頭の犬を世話する老夫婦がいる。犬が好きな人がいると噂がひろまり、この場所が犬捨て場になりすごい数になった。夫婦の「捨てないで」と悲痛な看板は無視されている。
毎週木曜日に「よしの」うどん店でダシガラのカツオやイリコの冷凍をいただき農園犬の餌になったり、家内がふりかけにつくっていた。この最近は一袋は決めた愛犬家に毎週届け、あとの全部は金曜の朝もっていく。夫婦は雨でも照ってもこの時間は汚物をビニールにいれている。挨拶いがいの会話はしないと決めている。わたしの性格は、相手の事情がわかればかかわりたいと傾く。この餌運びは続けても、それ以上はできない。
6月から生死をさまよった老犬。過保護な部屋食を4ヶ月続けたが、今夜から健太・太郎・ハッピーの食事に仲間入りさせた。鶏肉・サンマとキャベツのスープをドッグフードにかけた(量は4頭同じ)食べはじめるまで「座れ」の時間はながい。4頭がヨダレを垂らしてわたしを見たら「よし!」このいつものペースに老犬は仲間と同じ勢いでガツガツ食べた。遅いときや遊び半分のときは取り上げて他の犬に分けるのがしきたりだから。部屋食ではながいときは1時間ぐらいかかっていたが、短時間で完食した。皮膚病の治療は内臓に負担をかけない塗り薬を検討してみたいと獣医さんの所見をいただいた。