乃木神社の秘密


斜陽に立つ(古川薫)を読み、明治天皇大葬の日、夫妻で殉死された乃木希典大将におどろいた。そして殉死(司馬遼太郎)も読み。仲代達矢主演(203高地)をビデオで観た。そして長府乃木神社をガイドを頼んで参拝し説明を受けた。乃木希典がわたしの中で立体的になった。
先日、2冊目のアルバムを母のもとに持っていった。クリクリ頭の(2歳ぐらいか)わたしが笑顔の母に抱かれ狛犬の台座に腰掛けている「ここはどこかね」と聞いたら、即座に「長府の乃木神社いね」と答えて、言うべきでなかったと表情がかわった。
当日、宇部から長府までは遠かっただろう。母が微笑んだシャッターの主は誰なのか。わたしの出生は語らない。言わないだけに気持ちはふかいのだろう。
長生きしてくれ、母の人生を考える時間に恵まれる。