人間力


2時46分。2年まえの震災でなくなられた御霊さまに捧げる1分間の黙祷は、小野田市の配達先でラジオにあわせて合掌した。
神戸震災のとき浜山小学校避難所に着いた夜。真っ暗な教室で数少ないカセットコンロで、自衛隊から届いた赤飯の缶詰めを朝まで大勢が温めた。千数百人の地域の人が全壊や半壊の家から学校に身を寄せた。余震が続くなかで衣食住のすべてを失い明日をどう生きるのか見通しのない真っ暗な夜でも、老人や子供の世話をするおばちゃんや青年たちがいた。産気づいた女性も出たりもしたがみんなで解決した。地位や学歴ではなく他人の心の痛みや不安が我が身と同じように受け止める人があの場面では必要だった。
東北の被災現場でも、たくさんの人間力が輝いたにちがいない。きょう1日はとくに被災地のみなさんの幸せを祈った。