ふかい感動


これから農園が安定して継続するためには、数年間をかけて正志にすべてのバトンを渡しわたしは別の道をあるくべきだと思い、別の道を思い描く時間が多くなった。
萩と長門のあいだに土曜日のお届けがある。1ヶ月まえから増築工事がはじまっていた。日置農業高校の先生のお宅である。細いフレームの眼鏡でスリムな先生が工事現場におられた。教師を辞め自宅に障害者たちが生活できる部屋をつくり、一緒に農業で生きていくことにした。乗馬が得意で以前から動物セラピーとして障害者に乗馬をさせておられた。そのかかわりからスタートした。57歳。教員仲間に給料がこれから減るから辞めるのかと言う者もおる。
地域で障害者がふつうに生きることを目指します。
小さく細く生きることばかりを考えていたわたしには、先生から尻を叩かれたように感じた。