ハッピー物語

5時の外気は2度。
この冷え込みを待っていた。先月末にフィラリア駆除の今年最期の予定で投与したあと、媒介する蚊を何度か見た。ハッピーはこの病気キャリアだから、ハッピーの血を吸った蚊がほかの犬に接触したら感染する。
もう一度薬を買いに行き冷え込みで蚊が死滅する日をうかがっていた。今朝の投薬で終わり。

金曜日はハッピーが子犬7匹と保護してくださった地域の配達。みなさんハッピーが縁結び。
5年まえの秋に野良犬ハッピー家族は「なんとか助けたい」という人たちが保護した。子犬7匹を引き受けた人たち。母犬を誰かに飼ってもらうために、みなさんが避妊手術の費用を出した。その検査のときフィラリア感染がわかった。
術後のハッピーとわたしが対面したのはタマゴを配達したペットクリニック。痩せほそりおびえて震えていた。
子犬は全部もらわれたが母犬の行き場がみつからない。農園に当時3頭と自宅に1頭わたしの犬がいたからハッピーの飼い主探しをはじめた。
病気のことも隠さず話して「飼おうか」という人が3人見つかった。けれども、最終的にそれぞれの事情があり縁組みには至らなかった。
いつまでも地域と動物病院の好意に甘えることはできないと判断してわたしが引き取ることにした。
11月の末の日曜日。ハッピーを引き取りに夕方家内と行った。物語にかかわった地域のみなさんがお別れにこられた。リードをつけてみなさんと最期の散歩がおわり、10キロのドッグフードや数々のプレゼント。私には清酒「越乃寒梅」家内には素敵なエプロンを結納でいただいた。農園に戻り結納をあけたら封筒に3千円があり「宇部市に登録お願いします」とメッセージがあった。名前のハッピーは地域の三原さんご主人が命名。

農園に来たときは7キロだったが、いまは16キログラムで貫禄がある。今月はハッピーが農園に来た月。