ウィスキーがお好きでしょう

湯田温泉、旅館「常磐」の女将は個性派で、マスコミによく紹介され県内外に知名度はたかい。
毎晩8時から「女将劇場」が催される。入場は無料、常磐の宿泊客以外でも大手をふって玄関から入ることができる。
数年まえ農園で晩酌をすませ、家内の運転で女将劇場に行ってみた。常磐の浴衣を着た泊まり客がステージに近い場所に優先されるかと思ったら、早めに着いた私どもは最前列席に案内された「タダの客でも」立ち見がでるほど盛況。出演者は旅館のスタッフ。70歳ぐらいだろうか女将が、濃厚な化粧に黒の網タイツ姿で舞台を駆け回る。女将がやればフロントマンやボイラー担当、接客の女性もやらざるをえない。女将と従業員が、笑いを徹底的にサービスをする。わたしは、その女将の姿に胸があつくなった。これは社員教育だと感じたから。
以来、温泉街を派手な和服で歩く女将を見かけたら挨拶を必ずしている。農園ちかくの天宿温泉を私がひいきにするのは、この温泉も女将の系列だから。女将の一生懸命にわたしは惚れ込んだ。
きょう、お昼まえの常磐から昨夜の宿泊客を乗せた観光バスが国道に出た。ピンクの和服で厚化粧の女将を先頭に職員総出で手をふりお見送り。バスが少し前方の赤信号でとまった。
和服の女将が信号をめざして腕をふってかけ出した。従業員も女将の後を追い走った。
交差点の信号でとまったバスの車内から、乗客みんなが女将に向かって手をふり続けた。
また胸があつくなるシーンを女将は見せてくれた。

竹内まりや、最新アルバム(15曲)を買って配達中に聴いた。お目当ては「深秋(芙蓉の人)」それもよかった。
もっとよかった曲は「ウィスキーがお好きでしょう」石川さゆりもよいけれど、竹内まりやの甘い声にウィスキーより酔いしれた。