配達のおもしろさ

犬たちは夕方に1食と決めた。昨夜、腹いっぱい食べたので朝は空腹を感じないのか落ち着いている。
月曜日は美祢市の山あい、谷ごとに集落を訪れる。高齢化とはいえ雨以外の日中は畑や山仕事に精を出しておりお宅は無人。長年ちなみを重ねてきて家の入りかた。冷蔵庫のどの棚に卵を入れておくとか、わたしを信頼してくださる。わたしの車が月曜日の定刻ごろ山あいを走る姿はみなさんどこかで見ておられる。
車検などで違う車(代車)でお宅に入ると畑から小走りで戻られる。わたしの愛車が地域のパスポートになっている。
きょうも卵を納めて、玄関の鍵をかけていたとき宅配さんが来た。わたしを家の者と思い荷物を渡そうとした。この場はなりゆきに任せて他人の受け取りサインをして荷物を受け取り、玄関に置いて施錠をしておいた。
山あいのお寺におおきな紀州犬の雑種が3ヶ月ぐらい前に来た。夜中に獣が徘徊するので番犬。
わたしを見ても吠えないがじっとにらんでいる。なんとか友達になれないかと近寄っても、その貫禄に圧倒されて触れない。
毎週「おい!」と声をかけながら距離を縮めた。先週は鎖が限界の場所で「おい!」と座って声をかけた。数十センチの距離で挨拶。きょうは怖いけれど鎖の範囲内に入り腰を落とした「おい!」と声をかけたら黙って静かに来た。わたしの体を鼻をつけてかいだ。背中をさわり、喉をなでてから頭に手をおいて撫でた。少し尾をふったので頭を抱いた。
やっと仲良くなれたので嬉しかった。来週からスキンシップが楽しめる。
埴生のお寺には身体の大きい柴犬がいる。勝手口の前で番犬体制。この柴犬は何度かパンを与えて仲良くなり、きょうもわたしを見たら尾をふり歓迎。パンはないけれど抱きしめてやった。
配達は、わたしのルールではなく、お客さまのあらゆるルールに気持ちよくあわせることが基本になる。
小野田市の大判焼きは売り切れたら看板。みゆきちゃんと家内の3時休憩に間に合うよう白あんを買い求め、タオルなどで保温をして3時に農園にもどった。みゆきちゃん、言葉は出ないが表情でわたしに「うまい」を伝えた。