マイナスからプラス

朝6時。気温21度。晴れ。暑さをそれほど感じることなく採卵を始めたが、7時すぎにFさんと交代した時には一汗。今日は8時まで選別パック詰め作業を済ませて出発した。

昨日の夕方から今朝まで3つのウッカリミスがあった。出発時間の遅れに加え、連休前の金曜日で交通量も多め。ザワザワ、イライラした気持ちを落ち着けながら、いつものセルフスタンドへ。

価格は安いがセルフだけに多少の作業があり、気が急いている時にはタッチパネルを押しながら少々眉間にシワがよる。ひと通りのボタンにタッチし、ノズルを給油口に刺しレバーを握る。

しかしガソリンが出てくる気配がない。インターホンを押すが返答なし。渋々、管理室まで走るが従業員の気配なし。ほんの2〜3分だったが、ずいぶん長い時間一人セルフスタンドで待たされているようで、大きなため息がでる。

しばらくし、いつも太め多めの毛髪を整髪料で固めた男性がズボンのベルトを締めながらトイレから出てくる。

彼がボタンを押してくれ、ほぼ空っぽのタンクにようやく給油を始めることが出来た。私が給油する最中、彼がセルフスタンドの仕組みや、自分の仕事内容を説明してくれた。初めて知ったが彼が管理室でボタンを押さないとガソリンは出ないらしい。

客は私ひとり。二人きりのセルフスタンドなので「窓ふきましょうか?」とか「車内のゴミありませんか?」のサービストークはなし。

彼の苦労話を聞きながら、私の方がせっせとガソリンを注ぐ。何だか変な光景である。

ここのトイレがキレイで使い勝手がよく、毎週金曜日の朝は、後の道中が長いのでマッタリさせて頂くことが多い。

今朝は逆の立場になり、少々イライラしながらも彼の話をタップリ聞かせてもらった。

給油後、レシートを発行する前に給油機の画面で割引のサービスゲームが始まる。急いでいる時は、この時間もイライラする。

太め多め毛髪の彼は、このゲームの結果に敏感。当たりが出た時は「○等。おめでとうございます」と声のトーンが上がり、逆の場合は「あぁ、今日は回転数少なめですから」と自分のことのようにトーンが下がる。

私は早く出発したい気持ちでイライラしていたが、そのゲームが終わらないとレシートが出ない。

二人で画面を覗き、彼はワクワク。私はイライラ。結果は四等。リッターあたり2円引きで、今朝の給油はリッター114円。

二人きりのガソリンスタンドで「おぉぉぉ四等ぉぉ!」と大きく拍手をしながら、やや小さめガッツポーズと絶叫を聞き、イライラを通り越し思わず笑いが出た。

マイナスからプラスを感じる瞬間でした。今日も一日ありがとうございます。

あだちまさし