梅雨入り

今朝、ひとりで採卵中にタマゴを落とした。

ひとトレー30個が勢いよく割れた。はじめてのことではないが、よくあることでもない。

汗がにじむほど体を動かしていたので気を抜いていたわけではなかったので、トレーを落とした自分が一番驚いた。

先週の中ごろ、遠くで暮らす知人が施設に入所したと知った。知人とはご高齢になられた恩師のことだ。

私に出来ることはなさそうだが、何とか面会に行く時間がとれないか、そんなことを数日考え続けていた。

お会いしたら何を話そうか。どんな話を喜ばれるか。何か食べたい物はあるだろうか。

あれこれと想いをめぐらせてはみたが、目の前の仕事と予定を見比べると時間をつくる余裕などなく数日かけて諦めた。

今まで離れていた時間を巻き戻すことはできないし、恩師が年老いて時間を止めることもできない。

わずかな時間をつくることができない自分の不甲斐無さに気持ちの折り合いをつけるのにも時間がかかった。

足元に落ちて割れたタマゴを見ながら、そんな思いも重なって心が締め付けられた。

夕方、防災から「梅雨入り」のメールが入る。

今日は雨の予報だったが、にわか雨。仕事に差し支えなかったことだけが有り難かった。

あだちまさし。