鶏の年齢は「日齢」で計算します。
愛玩用として飼育すると十年くらい寿命があるとされますが、私たちは家畜としてタマゴを生産するために鶏を飼育します。産卵の低下にともない、一年半くらいで「とう汰」しますので鶏は短い一生を終えることになります。ですから、観察や管理では「日齢」を用います。
「とう汰」の一番の目安となるのは産卵率です。
残酷なようですが、産卵数が少ない鶏は「損」を生むので適齢期に達すると躊躇なく「とう汰」しなくてはいけません。これが仕事なので仕方がないことですが、何年くり返しても、心の隅がチクッと痛みます。
産卵の傾向は様々な条件で変化をしますが、一番の変化、つまり産卵低下の原因は「加齢」によるものです。若い鶏が初産から駆け上がるように産卵率を上げていき、老鶏に近づくと徐々に産卵率が下がっていきます。かりに、産卵率が八割の鶏は十日間で八個のタマゴを産み、二日の休産日があります。日齢を重ねるごとに産卵周期のうち「休産日」が増えるので産卵率が低下します。また、休産日前に産み落とすタマゴは卵殻の形成が悪くなる確率が高いので、産卵数の歩留まりも低下します。
見た目には同じような鶏も日を追うごとに様々な変化があります。同じような一日を過ごしているようですが、実は同じ日は一日もないということを経験が積み重なっていく度にしみじみと実感します。今日の命の営みをいただき、明日の命の営みに備える日々をいかに穏やかな気持ちで過せるか。これが私たちの仕事のポイントだと思います。ただ、頭で考えるほど上手くいかないのが現実です。
私事ですが、今月はじめから腰痛に悩まされています。以前は、腰の痛みを感じることなどありませんでしたが、ここ最近、痛みを感じることがしばしばあり、この頻度が増えるとともに、痛みを感じながら過ごす時間が長くなりました。
移りゆく時間とともに変化する自分自身の体の状態も、劣化と捉えず穏やかな気持ちで受け容れていかなければと感じています。
2025.4.23 あだちまさし