お正月の鏡餅は「三種の神器」を表しています。丸い餅は「鏡」、橙は「玉」、串柿は「剣」を表します。串柿には、幸せにまつわる意味がいくつかあり、柿を「嘉来」と書いて、幸せがやってくるとか、幸せを「かき」集めるなどの意味があるようです。
その串柿に使われる柿の大きな老木が農園の入口にはあります。真夏には、たくさんの柿の葉から涼をもらい、鈴なりになった柿の実は目を楽しませてくれます。大きくしなったアーチの枝が季節によって玄関口の風景を描きます。熟した柿が落ちて道を汚しますが、さほど気にならない理由は、夜通しタヌキの親子が掃除をしてくれるから。明け方まで忙しく木の根元で仕事をしている姿に可愛らしさはありますが、人になつくことはありません。
各地の熊害(ゆうがい)が連日報道され、被害にあわれた方を思うと心が痛みます。凄惨な被害の状況が伝えられるなか、市内でも熊の目撃情報がいくつかあり注意喚起のメールが市の防災から入りました。いくつかは誤情報だったようですが、今月中旬に農園からほど近い場所での目撃情報は熊に間違いないとのこと。五年前にも同じ場所で目撃され、当時と同じ柿の木に登って実を食べた形跡があるようです。
報道を見るかぎりでは、手当たり次第に人を襲うテロリストのような印象を受けますが、東日本にくらべて、今年は山の実りが豊作なので人里に下りてくる心配は「おそらく」ないということでした。でも、ほんとうの熊の気持ちはわかりません。
十月中旬くらいから一気に気温が下がりました。寒暖差が大きく、秋を通り越して冬がくる感覚は年々、実感として確かなものとなりつつあります。ここ数年、この時期から鶏の「悪癖」に悩まされました。需要期に生産を上げ切ることができずに頭が痛みましたが、今年は小さな問題はあるものの、やや順調に推移しているようです。悪癖の原因は、いくつかの要因が重なってのことと思いますが、真夏の猛暑から長引く暑さで落ちた体力や脂肪がもどる期間が短いのも大きな要因となっているのでは推察しています。
冬に備えて毎晩忙しく働くタヌキの姿に重ねると、頭を痛めた鶏の悪癖や熊害などにもつながりがあるかもしれないと考えています。
2025.11.26 あだちまさし