禁煙一ヶ月


鍵山先生が「わたしは運転で違反しませんから、取締りは平気です」といわれた。わたしも大麻を吸ったことも見たこともないので取り締まりは関係ない。煙草を吸わない人に禁煙は関心のないことと同じように。
8月11日の朝5時、朝食をおえてコーヒーを飲みながら箱に残った最後の一本をおいしく吸った。吸いながら「もう煙草は買わないし吸わない」と静かに心に決めた。
宮川さん、松原さんに黄さんが「煙草はやめました」と平気な顔で言うとき、吸う理由をじょうずに挙げつらうわたしの、自分がコントロールできないことに嫌気がさしていた。健康でも煙草代でもなく調子よく弁解しながら吸う煙草のうしろめたさもあった。とにかく一ヶ月吸わずに過ごすことができた。
シモバンの松本社長が「兎」の金刺さんに「煙草ぐらいやめられんで成功すかいや!」と言い彼はその日からやめた。村上棟梁もシモバンから「ええかげんにやめんかい!」と一喝されてやめた。わたしも誰かに尻をたたかれたらよかったが、苦しみながら自力で一ヶ月の山をこえた。