お葬儀参列


井辻さん喪主挨拶。母さんは…ではじまり35年の奥さまへのお礼を涙ながらにとつとつと語られた。
靴は980円。服は娘のお下がり。毎月義父の月命日はお寺さんに来ていただき。子供三人連れて行った映画館で床一面に落ちていたポップコーンを拾ってゴミ箱に入れた。母さんは家をいつもピカピカに掃除していた。大きな身体をふるわせてしぼり出す言葉に涙がながれた。
挨拶のあとは親族によるお別れで、棺に花をたむける。司会が「火葬へのお別れは玄関ですが、ご希望がありましたら、ご親族さまのあとから献花をどうぞ」そのあと会葬者全員立ち上がり祭壇にすすんだ。玄関におりる人はなかった。それほどに厳粛な雰囲気になっていた。
5年と半年も闘病された奥さまは安らかなお顔だった。しかし59歳の旅立ちは早すぎる。奥さまが好きだった竹内まりやの(人生のとびら)におくられて斎場をあとにされた。
井辻さん!さびしいでしょ。