残念


午後2時。家内から着信「西君が川で洗いものをしているとき発作がでたのか、帰りがおそいので正志が呼びに行ったら川に倒れており、いま救急車が到着して心臓マッサージ」農園近くで先を急ぐ救急車とすれちがった。小野でドクターが乗り込み宇部医大救命救急に向かった。と家内の顔色はなかった。
すぐに宇部医大に向かったが、途中で「蘇生できなかった」の訃報を受けた。待合室にはずぶ濡れの正志と西君のおかあさんが真っ赤な目をしていた。お父さんがつく前に弟が作業着で処置室にかけこんだ。警察は正志に聴取。
弟がうなだれて来た「なんでか!」と叱責の大声は覚悟していた
「兄がながいあいだ本当にお世話になりました」正志が「早く発見できませんで…」と謝っても弟は感謝の言葉を言い「みなさんの好意にボクは甘えていました」兄弟で吉部八幡宮に幼いころ引き取られ、兄の西君は知的障害とてんかんの持病があった。
8年ぐらいまえ、この弟と電話で激しく言い合ったのは兄のこと。数日して農園に弟はきた。将来は兄と生活する覚悟で結婚はしません。兄のために貯めたお金はいつでも農園で要るときはつかってください。300万円あります。その兄はなくなった。
きょうの出来事で、わたし自身心の整理はつかない。お宮にもどった西君の冷たい顔を撫でた。家内は川はつめたかったねと泣いた。何事にも本気で取り組み彼を悪くいう人はひとりもいない。
夜の農園に彼の自転車がある。