真っ赤な朝焼け


五時、カーテン越しの朝焼けが部屋を染めた。食器をしまい、台所をみがきおえたらコーヒーを飲みながら短い時間の読書。「ひとが命がけで打ち込んでいるときには、それがなんであっても、うっとり見とれるほどに形も、音もきれいでさ」この活字にうなった。
お掃除に参加した子供たちが、汗をかいて素手で便器に向かっている姿に何度も深い感動をおぼえた。その感動を作家が文字にした。
松村御大が冬でもシャツ一枚で早朝のセリ場に立つと、トロ箱の上を踊るようだったと回想した人がいる。鍵山先生はまさに見とれるほど全身をつかい掃除をされる。
山本一力ますます魅力的になる。