西君と忘年会


昨夜は西君と歓談できた。知的障害として1級の障害手帳を持っている。くわえて、てんかんの持病もあり毎月病院通いがある。彼には弟があり、ふたり兄弟で親を知らない。小郡にあった施設で育てられているとき、吉部八幡宮にひきとられた。彼が小学校時代だったらしい。中学をおえて宇部の左官に弟子入りして約20年働いた。稼いだ金は仕事が終わって閉店までのパチンコで全部つかったらしい。持病が悪くなり仕事を辞めさせられて弟(今も独身)に身を寄せた。そのあと八幡宮にもどり農園で働きはじめた。以前に弟とルーツ探しをしたことがあるそうだ。山口市内のお寺までたどりついたけれど親の墓はわからなかった。風呂場で発作が起きたら溺れるので一年中シャワーですませる。宮司夫妻は寒かろうと風呂場があたたまる装置をつけてくれシャワーの前にスイッチを入れておけば寒くはないらしい。
5時前にお宮にもどり犬2頭の散歩をして8時ごろの夕食まで腹が減ってバナナなどをたべてからご飯は2膳食べる。その後は自分の部屋で通販で買ったスロットマシンで遊ぶという。いろいろ日ごろは聞かれない話題で西君のことがまた理解できた「おご馳走さまでした」と丁寧に頭をさげて歩いて帰ろうとしたので、飲酒運転にならない農園の橋まで車に乗せた。降りてまた「おごっそうさまでした。気をつけて帰ってください」とおじぎをして懐中電灯をともして歩きはじめた。彼にご縁ができたことも農園をはじめた幸せのひとつである。