笑福誕生記( 黄栄作)


山口市小鯖にカレー屋を開店して早くも二ヶ月になろうとしています。オープン以来温かい励ましを沢山のお掃除仲間からいただきながら、忙しさに十分なお礼もできずにいました。わたくし自身の不甲斐なさにガッカリしていたところを足立さんの進言に助けられ、『しんあい農園日記』を拝借してお礼方々経緯やエピソードなどご案内させて頂くことになりました。
昨年末に前職を円満退職し、一月初旬に『手打ち蕎麦屋』を志して東京に一ヶ月間の修行に参りました。蕎麦道場曰く、優秀な成績で卒業し帰参してテナントや古民家など方々探し回りましたがこれはという物件に出会えずにおりました。折よく足立さんから『小鯖』に空き家のうどん屋があるから調べてみいやとのアドバイス。即日法務局など問い合わせたら、使えない物件と分かりあきらめた帰り道に貸し物件の看板を見つけて現在に至る訳です。
カレー屋をすぐに始められたのは、長い単身赴任生活のほとんどを外食で過ごした経験からある店のこだわりをずっと追いかけていたのが要因です。営業ノウハウはしっかり押さえていたものの、問題のカレーの味付けは開店の前日に完成した代物でした。宇部のフレンチレストラン『ノエル』のオーナーシェフ安さんから聞いていた『カレーは玉ねぎで決まる』をヒントに仕上がった味付けです。メニューは二種類、ご飯の量で四種類の構成。素人のわたくしが出来る最大限の料理です。お陰さまで順調な滑り出しで、ご飯がなくなったりカツが切れたりして売り切れ御免の日が幾日もあり、安価であることも含めてお客様にお喜びいただいております。
正月以来、蕎麦屋を猛反対する家族に迷惑をかけただけでなく、心友である岡本拓也さんに泣きついたりして本当に辛い日々を送っていました。仕事に熱中できる今は、家内に笑顔を呼び戻すことができて明るい毎日です。
開店当初、調理に追われて店内を見渡す余裕などないときにフッと頭をあげたら宇部の宮川さんの笑顔がそこにあり、涙が出てきそうになるのを必死にこらえました。それだけではない沢山の励ましをくださいましたお掃除仲間に心からありがとうございます。
お掃除の会への参加もかないませんが、今は毎日掃除と向き合って働いています。お掃除の門を叩いて本当に良かったと思えるこの頃です。皆様ありがとうございます。