山本一力


下関。浪花の店主から「どうぞ」と読み終わられた文庫本三冊をいただいた。上杉鷹山の師「細井平洲」と山本一力「深川駕籠(上・下)」3冊。
フェルメール作品について中村獅童は歌舞伎役者の視点で語った。歌舞伎には「時代物」題材は歴史上の出来事「世話物」題材は庶民の日常生活。フェルメールはその「世話物」に長けていると。
その「庶民の日常生活」と言う言葉がわたしの脳ミソを動かした。山本一力は江戸を題材にした作品。主人公は、歴史上の人物はひとつもない。長屋で生きる庶民や貧困の少女や火消し衆。庶民たちが一力の世界ではまぎれもなくヒーローになる。だから山本一力がわたしは好きなのだと合点ができた。
厳しい残暑の木曜日。帰りはアルミ缶満載になった。