わたしのビタミン


だいたい9時半前後に配達のタマゴを積み終わり走りはじめる。
8時半から11時50分までNHKラジオ放送「ラジオビタミン」がわたしの心のビタミンになっている。村上・カンザキユウコの名調子アナウンスで番組は進行する。みんなで子育ては、子育て真っ最中のお母さんの悩みを、子育てを終えた方も加わり全国から心あたたまるアドバイスが行き交う。
わたしの母も仕事をしながら、わたしを知り合いに預けて働いていたとき心配だったろうと思いながら聴いた「お弁当」がテーマで感心したのは「幼稚園のお弁当の日は、つくった弁当を全部写してアルバムにしています」というお母さんだった。この子がおおきくなってアルバムをみたとき母親の愛情をストレートに受け取れるにちがいない。
わたしの弁当箱を思い出した。アルマイトのだ円形で茶色の下地になぜかコケシが描かれており、この弁当箱を見られるのが嫌だった「進ちゃん、ハンバーグを入れておいたよ」の言葉が嬉しかった。いま思えばハムを焼いたものだった。魚肉ソーセージもいつもあった。未熟児だったそうで保育器の世話になり、おおきな乳房のわりに母乳が出なくて森永ミルクだったと知った。保育器・森永と問題が多かったなかでも無事に育った。そんな昔のことを思い出させてくれたラジオビタミンだった。