日別アーカイブ: 2017年3月30日

ウグイスが上手に鳴きます

朝6時。気温7度。晴れ。最高気温16度。体いっぱいに春を感じた一日。

採卵しながら鶏舎を回り、餌の残量を確認。季節の変わり目、これから暖かくなってくると食欲も落ち着き、少々、無駄喰いが増える時期。

日齢を重ねると粒状のトウモロコシを好んで食べ、ホッパーの受け皿を覗き粒状の餌を探し、首をながら粉状の餌を掻き分け好物を探す癖がある。

どの鶏が始めるか分からないが、その様子を真似する鶏が増え「右へならえ」で、少しずつ悪い癖が鶏舎の中で広がる。

鶏も生き物なので、見て食べて、美味しい物を探すのは当たり前と言えば、そんな感じ。

ただ、食べ癖が悪くなると「人気のポッパー」に鶏が集中し、当然、そこだけ餌の減り方が顕著になり、Iさんがタップリ餌を継ぎ足すようになる。

人気のないポッパーは食べ残しが多い。スナック菓子を袋を開けたまま置くのと一緒で餌の「酸化」が進むポッパーは不人気になり「悪癖」を助長する形に。、

日曜日以外は、500キロ近くをIさんが「女手一つ」で鶏舎へ力強く運んでくれる。

彼女の負担と、飼料の無駄を少なくするために、Fさんとポッパーを確認しながら鶏舎を回る2人仕事。

彼女に給餌を止める鶏舎をメモしてから、自分の仕事に取り掛かる。

今日は2時間ほど草刈りをし、作業場でタマゴの選別。

春の柔らかい雑草を、やや荒めに払いながらだったが、思った以上に汗をかいた。

川沿いの桜の開花は少し先になりそうだが、ウグイスが上手に鳴くので、その鳴き声につられて、昼食の弁当を川土手でひろげる。

弁当に箸をすすめながら、心の中の「リトルまさし」が「こんなエエ天気。プシュとしたいねぇ」と何度もつぶやいたが辛抱した。

今日は良い汗かきました。ありがとうございます。

あだちまさし。

菊美ばあちゃん

朝6時。気温5度。くもり。最高気温13度。

採卵をしながら餌の食べ残しが気になる鶏舎を回る。7時前、Fさんにバトンタッチし、Iさんに給餌の指示をメモして小野田市内へ配達へ出かけた。

3日前、「母が亡くなったのでタマゴを止めて下さい」と息子さんから電話があった。

母とは、東京理科大学近く、学生アパートの大家さんの「菊美ばあちゃん」のことである。

開園して間もない頃からタマゴをお届けして来たので15年以上のお付き合いになると思う。

当時、厚南のバイキングレストランに定休日の水曜日以外の毎日、30キロのタマゴを大口注文をいただいていて、農園の仕事を終え、このレストランを経由して帰宅するのが日課だった。

船木、小野田市内から常連のお客さまが増えて来たので、このレストランの定休日にあたる水曜日に小野田市内への配達をはじめた。

不慣れな鶏とタマゴと向き合う仕事で、少し歯車が狂うと配達へ出かけることが出来ず、いつも夕方のラッシュ時間と重なり、車の波を掻き分けるように運転した。

車内には小野田市内のお客さまにお届けするタマゴに加え、夕方、宅急便で発送するタマゴも積んでいる。

宅急便の集荷時間は18時。集荷のトラックが通過してしまうと東新川の営業所までタマゴを持ち込む手間が増える。そんなことも度々。

子どもを3人預ける保育園もお迎えが18時過ぎると、自動的に「延長保育料」が発生するので、タマゴが先か、子どもが先かと夕方の配達は心も体もいっぱい、いっぱいだった。

こんな私とは対照的に、菊美ばあちゃんは、いつも大家の仕事を淡々とされていた。

アパートのまわりを竹ほうきで掃除したり、学生が出したゴミを分別したり、家賃を持って来た学生にお茶を出し、玄関先で彼らの話を聴きながら笑顔で頷く姿も度々拝見した。

タマゴの代金は「○月○日タマゴ代」と書いた封筒を返却するパックに、輪ゴムで縦横にしっかり縛るのがお付き合いを始めたころからの、菊美ばあちゃんの習慣だった。

3日前に電話を頂いた息子さんから「3月29日タマゴ代」と書いた封筒と空きパックがテーブルにあったが、未払いは無いかと問われたので、今まで長くお付き合いさせていただいた、その習慣をお話しさせていただき、長年のお礼とお悔やみをお伝えした。

今日は午前中5時間かけて、約90軒ほどの小野田市内の配達。菊美ばあちゃんのことを思い出しながら淡々と運転した。

あだちまさし。