毎朝夜が明けてうんざりする光景が目にはいる。猪が夜のあいだに農園内の土を鼻で掘り返しミミズを食べている。その耕運機で耕したような面積がどんどん拡大している。春までには平らに整地しないと草刈ができない。
ふたりほど猟師が見にきたけれど、ほかでも被害が多くとりあってくれない。近くの猟師に２度電話で頼んでやっと来てくれた。とにかく各地で被害が多く老体ではなかなか対応できないと言いながらも「くくりワナ（獣道にワイヤーを仕掛ける）」を３ヶ所設置してくれた。
ワナに猪がかかったら、この老人はナタで猪の頭を割って殺す。しかし、３年前に反撃にあい小指を一本食いちぎられている。とにかくこのワナに大物がかかればよい。５年前に農園に出ていた１００キロの猪もこの老人が仕留めた。